社長も社員も知っておきたい労働基準法。優しく解説していきます。
労働基準法第24条について解説いたします。
この条文では、賃金支払の5原則が定められています。
【賃金支払の5原則】
①通貨払いの原則
→小切手や現物で払うことは、原則として禁止されています。ただし、労働協約で定める場合は、通勤定期券等のように現物支給も許されています。
②直接払いの原則
→中間搾取(ピンハネ)等を防止するために、賃金は本人に直接支払うこととされています。ただし、例外として、使者たる家族(妻子)への支払は認められています。
③全額払いの原則
→賃金は、定められた全額を支払われることとされています。ただし、法定控除(源泉所得税、社会保険料等)や労使協定による組合費等の控除は認められています。
④毎月1回以上払いの原則
→賃金は、暦月ベースで毎月1回以上支払われなければならないこととされています。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与等については、例外として認められています。
⑤一定期日払いの原則
→賃金は、「毎月25日」「毎月月末」のように、周期的に到来する特定の日を定めて支払われなければならないこととされています。ただし、「毎月第二水曜日」というように、支払日が大きく変動する設定(月ベースで7日も変動)は、認められていません。
なお、年俸制であっても、賃金は、毎月1回以上、一定期日毎に支払われなければならないことになっています。
労働基準法第26条を解説いたします。
労働基準法第26条では、以下の通り定められています。
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」
この条文は、休業中の労働者の生活保障を主目的としています。
「使用者の責に帰すべき事由」とは、機械の不具合、原材料の不足、資金難、監督官庁の勧告による操業停止、等々が該当します。
なお、民法536条2項においても類似した規定(「債権者の責に帰すべき事由」)がありますが、労働基準法第26条の方がより該当範囲が広いと解されています。
労働基準法第32条について解説いたします。
労働基準法第32条は、以下の通り定められています。
第1項
「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」
第2項
「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」
労基法では、このように労働者を働かせることができる時間について定めをしています(法定労働時間)。
・1日について8時間
・1週間について40時間
この時間を超えて労働者を働かせることは原則として違法となります。ただし、一定の場合には、この時間を超えて労働させることもできます。
なお、特例措置として、常時10人未満の労働者を使用する商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業につきましては、1週間の法定労働時間を44時間とする特例があります。
ちなみに、昼休みの来客当番、就業時間外の教育訓練などは労働時間に該当しますので、注意をしましょう。
労働基準法第32条の2について解説いたします。
これは、いわゆる「1カ月単位の変形労働時間制」に関する規定です。
ある1日又はある1週間の労働時間が法律で定められた労働時間を超えていても、一定の条件を満たしていれば、法定労働時間を超えて労働をさせることができるというものです。
就業規則または労使協定が必要とされ、届出も求められています。
割増賃金の支払いを抑えるために導入されることがある制度です。
毎月特定の週や日が忙しくなることがあらかじめ分かっているような場合には、残業代削減のため検討をしてみてはいかがでしょうか。
労働基準法第32条の3について解説いたします。
この条文はフレックスタイム制についての規定です。
フレックスタイム制とは、1カ月以内の一定の期間の総労働時間を定めておき、労働者が自由にその範囲内で始業及び終業の時刻を選択して働くことができる制度です。
これにより、労働時間の短縮を図っています。
注意点としては、
1.休憩時間は法定通り与えなければならない
2.使用者には労働時間の把握の義務がある
などが挙げられます。