年次有給休暇

労働基準法第39条を解説いたします。

この規定は、年次有給休暇について定めたものです。

以下の二つの条件を満たした労働者について、使用者は、年次有給休暇を与えなければなりません。

①勤務開始の日から6か月間継続勤務
②全労働日の8割以上出勤


上記を満たす場合は、正社員のみならず、パートタイマーや臨時の短時間労働者についても、年次有給休暇を与えなければなりません。

なお、管理監督者など、労基法41条に該当する者にも、年次有給休暇制度は適用されます。

年次有給休暇の賃金は、次の通り3通りの方法があります。

①平均賃金
→その労働者の過去3か月分の賃金を平均して算定される賃金

②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
→臨時に支払われた賃金や時間外手当等を除きます。

③標準報酬日額(健康保険法3条)に相当する金額
→この方法を採用する場合は、労使協定が必要になります。ただし、この労使協定は、行政官庁に届出する必要はありません。

退職時等において、使用されずに残ってしまった年次有給休暇を結果として、会社が買い取ることは可能だとされています。ただし、年次有給休暇の買い取りについて、予め制度として定めておくことは、できません。

管理監督者等

労働基準法第41条を解説いたします。

労働基準法第41条は以下の通り定められています。

「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の労働者については適用しない。
1.別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」


この規定では、労働時間等に関する適用除外を定めています。

最近話題のファーストフードの店長の取り扱い(残業代等)の問題も、この条文の第2項の「監督若しくは管理の地位にある者(=管理監督者)」に該当するかどうかが争点になっています。

「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には、部長・工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、名称にとらわれず実態で判断するものである(S63.3.14:基発第150号)
とされています。

つい先日ですが、H20.9.9に厚生労働省から「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」という通達が出されました

この中には、監理監督者としての判断基準がまとめられています。
以下に項目のみ示します。

1.「職務内容、責任と権限」についての判断要素
(1)採用
(2)解雇
(3)人事考課
(4)労働時間の管理
2.「勤務態様」についての判断要素
(1)遅刻、早退等に関する取扱い
(2)労働時間に関する裁量
(3)部下の勤務態様との相違
3.「賃金等の待遇」についての判断要素
(1)基本給、役職手当等の優遇措置
(2)支払われた賃金の総額
(3)時間単価

「機密の事務を取り扱う者」とは、秘書など、その職務が経営者等の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者を指します。

「監視又は断続的労働に従事する者」とは、常態として、心身の疲労や緊張感の少ない業務及び手待ち時間が多い業務等に従事する者を指します。

産前産後

労働基準法第65条について解説いたします。

産前の休業につきましては、女性からの請求がなければ、休業させる義務はありません。あくまでも、請求が要件となります。請求された場合には、産前6週間は就業させてはいけません。

しかし、産後の休業につきましては、母体保護の理由からも、請求の有無にかかわらず、産後8週間は就業させてはいけません。ただし、産後6週間過ぎた後で女性が請求した場合には、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、構いません。

なお、規定では「使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。」とありますが、軽易な業務が存在しない場合には、新たに軽易な業務を創設する必要はありません。


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