長寿高齢社会を迎えました。
核家族化の進行もあり、高齢者夫婦だけの世帯や一人暮らしの高齢者が増加しています。
健康に対する不安や介護の必要性などから、高齢期における住まいをどうするのかは切実な問題です。
イザというときに慌てないように、ある程度の知識は持っておきたいところです。
増える高齢者のみの世帯と単独世帯
内閣府「平成30年版高齢社会白書」によると、平成28年現在、65歳以上の高齢者がいる世帯は2,416万5千世帯で、全世帯の48.4%を占めています。
そのうち、夫婦のみの世帯が一番多く約3割を占めており、単独世帯とあわせて半数を超える状況です。

住み慣れた自宅で介護を
同白書から、「自分の介護が必要になった場合にどこでどのような介護を受けたいかの希望」についてみてみると、自宅で介護を受けたいと回答した人の割合は、全体で73.5%となっています。
やはり、介護が必要になっても住み慣れた自宅で過ごしたいというのは自然な感情でしょう。

様々な高齢期の住まい
上記アンケートからも分かる通り、高齢期においても多くの人が住み慣れた自宅での生活を望むと思います。
しかし、健康状態や介護の必要性などを踏まえ、高齢期の住まいを検討することもあるでしょう。
近年、高齢者向けの住まいは多様化しています。
特別養護老人ホーム等の介護保険施設や有料老人ホーム等の施設に加えて、平成23年からはサービス付き高齢者向け住宅が登場しています。
参考までに、平成31年3月改訂された「東京都 あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方」(東京都福祉保健局)をみてみましょう。

詳細は、「東京都 あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方」(東京都福祉保健局)
特別養護老人ホームに関する改正
特別養護老人ホームに関して、平成27年4月に大きな改正がありましたので、押さえておきましょう。
従来、特別養護老人ホームには、重度の要介護状態で自宅での生活が難しい方が優先して入所できましたが、介護保険法が改正され、原則として、入所できるのは要介護3以上の方だけとなっています。
これは、特別養護老人ホームへ入所を希望する重度の要介護状態の方が、これまで以上に優先的に特別養護老人ホームに入所することができるよう、原則として、要介護3以上の方だけが入所できるようにしたものです。
なお、要介護 1 や 2 の方でも、「認知症で、日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られること」や、「 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られること 」などを勘案して、特別養護老人ホーム以外での生活が困難な事情がある場合には、特例的に特別養護老人ホームに入所できます。
高齢期の住まいを考える際、自宅で介護を受けているのであれば、ケアマネさんが地域の事情には詳しいでしょうから、施設選びのアドバイスを受けましょう。
自治体のホームページや、ネットでの評判、地域の口コミも参考に。
ただし、比較的安く入居できる施設・住宅を希望しても、すぐに入居できるとは限りません。
有料老人ホームに入居するには高額な入居金が必要であったり、毎月の費用が数十万円になることもあります。
高齢期の住まい選びは、終活の一環であるといえます。
様々な情報を集め、マネープランを含めてご家族で話し合っておきたいものですね。
