「おひとり様」の老後設計

人生100年といわれるほどの長寿社会を迎えました。

未婚のため配偶者がいなかったり、結婚していても配偶者に先立たれるなど、老後を一人で過ごすことへの不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

バツイチの私も「おひとり様」です。

老後の生活資金や健康のこと、孤独死の不安や葬儀、お墓のことなど、心配事は尽きません。

増加する「おひとり様」

50歳時の未婚割合は生涯未婚率といわれます。

内閣府「平成30年版 少子化社会対策白書」によると、平成27年の生涯未婚率は男性23.4%、女性14.1%となっています。

昭和45年には男性1.7%、女性3.3%ですから、「おひとり様」が著しく増加したといえます。同白書では、「今後も50歳時の未婚割合の上昇が続く」と予測しており、さらに「おひとり様」が増加しそうです。

また、65歳以上の一人暮らしの増加も顕著です。

内閣府「平成29年版 高齢社会白書」によると、平成27年における65歳以上の一人暮らしは男性約192万人、女性約400万人で、65歳以上人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっています。

昭和55年には男性約19万人、女性約69万人で、65歳以上人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%ですから、やはり「おひとり様」が大きく増加したといえます。

老後の不安対策は?

老後における大きな不安は、お金と健康ではないでしょうか。

総務省「平成29年 年金制度基礎調査」から、老後の生活資金の中心を占める年金額をみてみると、単身世帯の平均公的年金額は145.5万円となっています。

月額12万円程度ですから、これを超える生活費については、仕事をしたり預貯金などで補う必要があります。

まずは誕生月に届く「ねんきん定期便」で将来の受取額を確認してみましょう。

50歳以上の方であれば、現在加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定した老齢年金の見込額が表示されています。また、勤務先の再雇用制度や退職金、企業年金などについても確認をしておきたいところです。

次に、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間(健康寿命)をみてみると、男性72.14歳、女性74.79歳となっています。

平均寿命とは概ね10年前後の差がありますから、医療や介護について、どうするかを考えておかなければなりません。

例えば認知症についてみてみると、今後、わが国では認知症患者が増加すると見込まれています。

厚生労働省によると、平成24年の認知症高齢者数は462万人(65歳以上の高齢者の約7人に1人)でしたが、平成37(2025)年には約700万人(65歳以上の高齢者の約5人に1人)になるとしています。

認知症になると判断能力が衰えますから、配偶者や子どもなど頼れる人がいなければ、通帳の管理や施設との契約などを誰かに任せる必要があります。

その場合、成年後見制度を利用することも多いでしょう。介護が必要な状態にもあるでしょうから、介護保険制度の仕組みも知っておく必要があります。

また、判断能力が十分であっても、高齢期には体力が衰えますから、家の中で転倒などして動けなくなることも考えられます。民間各社が提供している安否確認や見守りサービスなども調べておきましょう。

葬儀やお墓は?

葬儀やお墓など死後のことも気になります。これらについては、死後事務委任契約が有効です。

その内容は、例えば次のようなものとなります。

・医療費の支払いに関する事務
・老人ホーム等の施設利用料の支払いと入居一時金等の受領に関する事務
・通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
・菩提寺の選定、墓石建立に関する事務
・永代供養に関する事務  など

現在夫婦で暮らしていても、いずれは一人になります。子どもがいても十分なサポートが受けられない可能性も考えられます。頼れる親族が誰もいないこともあるでしょう。

今後、高齢の「おひとり様」に対する関心が高まると予想されます。

社会的なサポート体制が整備されることを期待するとともに、少しでも老後の不安が軽減される環境づくりのお手伝いができればと思います。

自分の定年後は自分で守る。
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