新NISAと老後の資産設計

公的年金への不安が高まる中、安心した老後を迎えるには賢明な資産運用が欠かせないといえます。預貯金だけに頼らない適切な投資戦略を考えることで、将来への不安を和らげることができるでしょう。しかし、そのためには資産運用に関する知識が必要です。また、老後の資産づくりに向けてどんな制度があるのかを知ることも重要です。

注目の新NISA

2024年からNISAが大きく変わります。制度の恒久化や非課税保有期間の無期限化、年間非課税投資枠の拡大などが行われるため、公的年金だけでは心もとない老後の生活を支える制度の1つとして、大きく注目されています

金融庁HPより

新NISAのポイント

新NISAのポイントは次の通り。

・非課税保有期間の無期限化
・口座開設期間の恒久化
・つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
・年間投資枠の拡大(つみたて投資枠と成長投資枠の合計で年間最大360万円)
・非課税保有限度額は全体で1,800万円

”NISA”で資産形成!!(金融庁パンフレット)

非課税保有限度額1800万円については買付け残高(簿価残高)で管理されます。口座内の商品を売却した場合には、当該商品の簿価分の非課税枠を再利用できますから、例えば、教育資金やマイホームの購入費として商品を売却した後、再度非課税枠の中で老後資金を準備するという使い方ができます。

なお、新制度の開始に伴い、既に現行のNISA制度で保有している商品を売却する必要はありません。そのまま非課税で保有することもできますし売却も自由です。ただし、非課税期間終了後、新しいNISA制度に移管することはできません。

まずは積み立て投資から

いきなり個別株に大きな金額を投資することには不安があるかもしれません。まずは積立投資を検討してみましょう。毎月少額ずつ投資することで、リスクを分散しやすくなります。中長期的な運用を念頭に、収益を期待できる投資先を探しましょう。そうすることで、老後の生活に役立つ資産を築くことができます。

老後は自分の時間を大切にできる時期です。資産運用は、その時間をより充実させるための手段でもあります。現役の時からコツコツと投資をすることで、心豊かな生活を実現したいものです。

2021年4月、民間企業には70歳までの就業機会を確保する努力義務が課せられました。公務員の定年は段階的に65歳まで引上げられます。年金制度では、老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引上げられました。人生100年時代。老後の生活設計は人それぞれです。こうした社会の動きも頭に入れながら、新しいNISAの活用も考えつつ、中長期的な視点から老後資金の準備を進めたいものです。

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