はじめに:老後の生活が見えてくる40代・50代
「自分はいくら年金がもらえるのだろう?」「年金だけで生活できるのか?」
そんな不安が現実味を帯びてくるのが、40代・50代の世代です。会社員であっても、フリーランスや自営業であっても、「年金=老後の生活資金の柱」であることに変わりはありません。
しかし、「年金制度は複雑でよくわからない」「自分の年金記録を見たことがない」という方も少なくありません。そこで本記事では、40代・50代が今のうちに知っておくべき年金制度の基本と、今からでもできる見直し方法を詳しく解説します。
公的年金制度の仕組みを理解する
日本の年金制度は、いわゆる「2階建て」と呼ばれています。
【1階】国民年金(基礎年金):すべての国民が加入
【2階】厚生年金:主に会社員や公務員が加入
40年間保険料を納めれば、国民年金(老齢基礎年金)は満額で年間約83万円(月額6万9千円程度)となります。
一方、厚生年金は「報酬比例」で、現役時代の給与に応じて年金額が決まり、国民年金に上乗せされる形で支給されます。そのため、厚生年金に長く加入していた人ほど、年金額も多くなります。
自営業者やフリーランスは基本的に国民年金のみのため、老後に受け取る金額が会社員と比べて大きく劣ってしまいます。この差を理解し、自分に足りない部分を補う視点が重要です。
年金額を確認する方法
40代・50代で最初にやるべきことは、「自分の年金見込額の把握」です。
ねんきん定期便をチェック
毎年1回、自宅に届く「ねんきん定期便」には、これまでの納付実績と、将来の年金受取見込み額が記載されています。
未納期間がないか、厚生年金と国民年金の記録に誤りがないかなどを確認しましょう。
ねんきんネットを活用する
日本年金機構が提供する「ねんきんネット」では、過去の加入履歴や将来の年金額シミュレーションがオンラインで簡単に確認できます。スマホからも利用できるので、一度登録しておくと便利です。
保険料の納付状況を確認する
年金の受給額は、保険料の納付状況に大きく影響します。特に以下の点に注意しましょう。
未納・免除期間がある場合
国民年金保険料の免除期間がある方は、10年以内の期間のものに限り、「追納」によって納付することが可能です。40代・50代のうちに免除分を埋めておくことで、将来の受給額を増やすことができます。
追納は義務ではありませんが、老後の受取額に直結するため、可能な範囲で検討しておくべき重要なポイントです。
また、国民年金の保険料は納期限から2年以内に納めなければ未納となってしまいます。もし未納分があれば早急に納めるようにしましょう。
年金を補うための「自助努力」とは?
公的年金だけでは、老後の生活に不安が残るのが現実です。そこで必要になるのが「自助努力」、つまり自分自身で老後資金を準備することです。
iDeCo(イデコ)
自分で年金を積み立てる制度で、掛金が全額所得控除になるなど節税効果も高いです。60歳まで引き出せないというデメリットはありますが、老後資金として計画的に貯めるには最適です。
今後、70歳になるまで加入できるようになるため、40代・50代からでも十分にメリットがあります。
新NISA
2024年からスタートした新NISA制度も、老後資金の準備に活用できます。つみたて投資枠を利用することで、長期・分散投資が非課税で行えます。少額からでも始めることができ、長い目で見た資産形成が可能です。
銀行預金だけに頼らず、資産を「運用する」視点が、老後資金づくりには欠かせません。
年金の受給タイミングを考える
年金の受給開始は原則65歳ですが、60歳から75歳まで自由に選択できます。受給時期によって年金額が増減する仕組みです。
- 繰上げ受給(60〜64歳):1ヶ月早めるごとに0.4%減額、最大24%の減額
- 繰下げ受給(66〜75歳):1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額、最大84%の増額
「早くもらいたい」気持ちもありますが、長く生きるリスク(長寿リスク)を考えると、状況に応じて繰下げ受給も選択肢として検討すべきでしょう。自分のライフプランを照らし合わせて年金を受け取る時期を判断しましょう。
まとめ:40代・50代からの年金見直しが未来を変える
年金は「将来の話」ではなく、「今の選択が将来を決める」制度です。40代・50代は、その分かれ道に立っている重要な時期です。
「まだ何もしていない」という方も大丈夫。
自分の年金記録を確認し、受給額を把握し、不足を補うための対策を始めること。それが、老後に安心して生活するための第一歩になります。
そして、年金だけに頼らず、iDeCoやNISAなどの制度も活用しながら、自分に合った資産形成の方法を見つけていきましょう。少しの行動が、将来の大きな安心につながります。