退職金と老後設計

年度末を迎えています。

3月いっぱいで退職される方もいらっしゃると思いますが、実質的には昨日が最終出勤日だったのではないでしょうか。

さて、日本の場合、退職すると退職金が支給されることが多いです。

しかも、退職金は税金が優遇されてますから、かなりまとまったお金が手に入ります。

人生100年時代。

まだまだ先は長いです。

無計画に退職金を使うのではなく、老後の生活設計に結びつけて考えていきましょう。

退職金の性格は?

退職金には、3つの性格があるとされます。

① 賃金の後払い的な性格

② 功労褒賞的な性格

③ 老後の生活保障的な性格

このような性格がありますから、現役時代にもらっていた給料とは税金のかかり方も異なります。

「長年のお勤めご苦労さん」という意味合いや、「老後の生活保障」という意味合いが強いものですから、退職金は税金が非常に優遇されているのです。

給与所得と退職所得

退職金にも給料にも所得税がかかります。

所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得に課せられますが、所得の種類は10種類に区分され、その性格により計算方法が定められています。

これは、所得の発生は極めて多種多様であり、同じ大きさの所得であっても、所得の性質によって担税力に差があるからです。

例えば、毎月恒常的に発生する給料と、基本的に1回限りの退職金ではその性格が異なりますから、税金のかかり方が異なるということです。

退職所得は優遇されてる!

先にみたように、退職金は、長年の勤労に対する報償的なものとして支払われることや、老後の生活保障的な性質をもつことなどから、退職所得控除を設けたり他の所得と分離して課税するなど、税負担が軽くなるように配慮されています

退職所得は、退職金額から退職所得控除額を差し引いた額に1/2を掛けて算出します。

退職所得控除額は勤続年数に応じて大きくなるように設計されており、さらに課税所得が小さくなるように「×1/2」をすることになっています(一定の役員等が受け取る退職金については、「×1/2」の適用はありません)。

例えば、勤続年数が30年の方の場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(30-20年)=800万円+70万円×10年=1,500万円」となりますから、退職金が1,500万円までは税金がかかりません

中小企業であれば、退職金が何千万円ということはあまりないでしょうから、ほとんど税金はかからないといえるかもしれません。

ちなみに、もし退職金が2,500万円であれば、2,500万円から退職所得控除額(1,500万円)を差し引き、残りの1,000万円を2分の1にした500万円に対して税金がかかります。この場合、所得税が約58万円、住民税が50万円となります。

退職金の使い道は?

退職に伴い、まとまったお金を手にすると、その使い道に悩んでしまいます。

しかし、退職金は老後の生活保障的な性格もあるわけですから、60歳以降のライフプラン、マネープランを考えたうえで、その使い方を検討したいものです。

まずは、退職時の資産(預貯金や株、投資信託など)と負債(住宅ローン、車のローンなど)の把握、退職後の収入(再雇用時の給料や年金)の把握をしましょう。

そして、今までの生活費を参考に、老後の生活費を見積もります。

健康保険や所得税、住民税などは会社が天引きしていたため、その計算方法が分からないこともあるでしょうが、今後の社会保険と税金について、せっかくの機会ですからご自身で調べてみましょう。

収支を把握したら、平均寿命や平均余命などを参考に、○○歳までのキャッシュフロー表を作成してみてください。

このように、退職時には資産と負債の状況、今後のお金の流れを把握したうえで、退職金をどうするのか考えていきましょう。

自分の定年後は自分で守る。