40代・50代が知っておきたい!法定相続人と相続分の基礎知識

法定相続人(ほうていそうぞくにん)とは、民法で定められた、被相続人(亡くなった人)の財産を相続する権利を持つ人のことです。誰が相続人になるか、またどれだけ相続できるかは法律で決まっています。

ここでは、法定相続人の範囲や順位、相続分についてわかりやすく解説します。

法定相続人の範囲

法定相続人は、配偶者と血族に分かれます。

(1)配偶者
  • 常に相続人になる
  • 婚姻届を提出した正式な配偶者のみ
  • 内縁関係(事実婚)や離婚した元配偶者には相続権はありません
(2)血族相続人(順位制)

血族相続人は、第1順位 → 第2順位 → 第3順位の順に相続権があります。

順位相続人主なケース
第1順位子(直系卑属)実子・養子・認知された子が含まれる
第2順位父母・祖父母(直系尊属)子がいない場合のみ相続権あり
第3順位兄弟姉妹子も親もいない場合に相続権あり

法定相続人の順位と具体例

ケース1:子がいる場合(第1順位)
  • 配偶者と子が相続人になる
  • 子が複数人いる場合は平等に分ける
  • 子がすでに亡くなっている場合は、孫が代襲相続(だいしゅうそうぞく)

例:被相続人Aさんが亡くなり、妻と子2人がいる場合
→ 妻:1/2、子A:1/4、子B:1/4

ケース2:子がいない場合(第2順位)
  • 配偶者と親が相続人になる
  • 両親が健在なら2人で平等に分割
  • 親が亡くなっている場合は祖父母が相続人になる

例:妻と両親がいる場合
→ 妻:2/3、父:1/6、母:1/6

ケース3:子も親もいない場合(第3順位)
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人になる
  • 兄弟姉妹のどちらかが亡くなっている場合は、その子(甥・姪)が代襲相続

例:妻と兄1人、姉1人の場合
→ 妻:3/4、兄:1/8、姉:1/8

配偶者と血族相続人がいない場合

配偶者も血族相続人もいない場合は、相続人不存在となり、遺産は最終的に国庫に帰属します。ただし、被相続人の世話をしていた人などは「特別縁故者」として遺産の一部を請求できることもあります。

法定相続分(相続割合)

法定相続分とは、法律で定められた遺産の分け方の割合です。

相続人配偶者の相続分他の相続人の相続分
配偶者+子1/2残り1/2を子で等分
配偶者+父母2/3残り1/3を父母で等分
配偶者+兄弟姉妹3/4残り1/4を兄弟姉妹で等分
配偶者のみ100%

法定相続人の注意点

1. 養子も相続人になる
  • 養子縁組をした場合、実子と同等に相続権がある
  • ただし普通養子は相続人にカウントされますが、特別養子は実親との相続権がなくなる
2. 内縁関係では相続できない

事実婚の配偶者は法定相続人にならないため、遺言書で財産を遺す必要があります。

3. 相続放棄も可能

借金などマイナスの財産が多い場合、家庭裁判所で「相続放棄」すれば相続人から外れることができます。

相続対策の第一歩は「法定相続人の確認」

  • 家族構成を書き出す
  • 誰がどの順位で相続人になるか把握する
  • 遺言書や生前贈与を活用して争いを防ぐ

40代・50代は、親の相続と自分自身の相続の両方を意識する必要がある世代です。早めに家族と話し合い、必要に応じて専門家(司法書士・税理士・弁護士等)に相談するのがおすすめです。