最近、親の介護についてなんとなく考えることが増えた――
そんな40代・50代の方に、今ぜひ知っておいてほしいニュースがあります。
2025年4月時点で、全国の「居宅介護支援事業所」が3万5943ヵ所と、前年から516ヵ所減少しました。この減少はこれで7年連続です。
これは、私たちの介護の“相談窓口”が確実に減っていることを意味します。
そもそも「居宅介護支援事業所」って何?
「居宅介護支援事業所」とは、ケアマネジャー(介護支援専門員)が在籍している事業所のこと。介護保険を利用して在宅介護を行う際に関わります。
このケアマネジャーが、介護保険の申請手続きから、介護サービスの調整、プランの作成、事業者との連携まで、介護に関するあらゆる“司令塔”の役割を担ってくれます。
つまり、高齢の親が介護を必要とする状況になったとき、まず相談する相手がこの事業所にいるケアマネジャーなのです。
減少の背景にあるのは“人手不足”
では、なぜそんな大切な事業所が減っているのでしょうか?
主な理由は「ケアマネジャーの不足」です。
中でも、事業所を管理する「主任ケアマネジャー」が確保できず、新しい事業所の立ち上げが難航しており、既存の事業所でも長年勤めていたベテランのケアマネが辞めるタイミングで、廃業するケースも目立ちます。
さらに、報酬制度の影響もあり、小規模の事業所では経営が厳しくなってきているのも事実です。
統合・大規模化の流れも
国はこうした事業所の減少に対応するため、介護報酬制度を見直し、「特定事業所加算」の拡充などを進めています。これにより、既存の事業所の統合、中規模化・大規模化が徐々に進んでいるとの見方もあります。
ただし、これはあくまで「都市部」や「経営体力のある法人」の話。地方では小規模な事業所が中心で、統合が進みにくい地域も多く、地域格差が広がりつつあるのが現状です。
私たちにできる“備え”とは?
40〜50代の私たちが、このニュースを「他人事」と思っていては手遅れになるかもしれません。
親の介護が突然始まるというのはよくあること。そのときに、頼れる事業所が近くになかったら…?
今からできる備えとして、以下のような行動をおすすめします。
1. 地元の居宅支援介護事業所を把握する
両親が住んでいる地域にどんな事業所があるかを調べておきましょう。市区町村の高齢福祉課や地域包括支援センターで情報を得られます。地域包括支援センターについても確認しておくとよいでしょう。
2. 介護保険の基本的な仕組みを知っておく
要介護認定の流れや、どんなサービスがあるのか。今から少しずつ知識をつけておくことで、いざというとき焦らずに済みます。
3. 親と介護について話し合う
まだ元気なうちに、「どこで介護を受けたいか」「自宅か施設か」などをざっくり話し合っておくと、今後の選択肢を整理できます。
最後に:介護は“情報戦”。だからこそ、今
介護は突然やってきます。
ですが、「備え」をしておけば、慌てず、必要なサポートを受けながら進めることができます。
私はよく「介護はお金の問題だけじゃない」とお伝えしています。
制度の理解、人のつながり、地域の状況――
これらすべてが、将来の安心に直結します。
事業所が減っている今だからこそ、情報を集め、地域の支援体制を知っておきましょう。