ありがたい健康保険!

最終更新日

病気やけがの際、特にそのありがたみを感じる健康保険。

日本では、誰もが何らかの健康保険に加入するという国民皆保険制度がとられています。

この制度を通じて、日本人の平均寿命は世界最高水準となりました。

しかし、その一方で、進む少子高齢化により健康保険制度への不安が増加しています。

将来にわたり、われわれが安心して暮らすには、この国民皆保険制度を維持していかなければなりません。

国民皆保険制度の特徴は?

日本では、職業や働き方などによって加入する健康保険制度は異なりますが、誰もがいずれかの保険に加入しています。これを国民皆保険制度といいます。その特徴は次の通りです。

日本の健康保険は、被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度に大別されます。いずれの保険制度でも、基本的に保険給付の内容は大きく変わりません。

自己負担割合と高額療養費

国民皆保険制度の下では、誰もが医療費の1割から3割を自己負担することで医療機関にかかることができます

非常にありがたい制度です。

加えて、1割から3割の自己負担であっても、治療期間が長くなると家計に与える影響は大きくなりますから、自己負担が過大なものにならないよう、自己負担の上限が決められています

これが高額療養費制度です。

例えば、会社員で3割負担の方であれば、ひと月に100万円の医療費がかかったとしても、自己負担限度額は87,430円となります。

自己負担限度額は、年齢や所得などによって異なります。

参考:協会けんぽ「高額な医療費を払ったとき」

なお、医療費が高額になりそうな場合には、「認定証」などを提示すれば、月ごとの上限額を超える分を病院窓口で支払う必要はなくなります。

いったん自己負担分を全額支払い、あとから払い戻しを受けるのは大変ですから、ぜひ知っておきたい制度です。

ただし、事前に「認定証」を入手しなければなりませんから、その交付手続きについては、ご加入の健康保険組合、協会けんぽ、または市町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)で確認してください。

知っておきたい傷病手当金

会社員の方は、傷病手当金についても知っておきましょう。

通常、労働者が病気やケガで休業した場合、会社には給与の支払い義務はありませんので収入が途絶えます。

休業が短い期間であれば、有給休暇で対応することもできますが、付与されている日数にも限度があり十分とはいえません。

そこで、病気やケガで休業中の労働者の生活を保障するために設けられた制度が傷病手当金です。

傷病手当金は、次の4つの条件をすべて満たしたときに支給され、その支給期間は、支給を開始した日から数えて1年6ヵ月となります。

  • 業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと

なお、業務上・通勤災害による休業は労災保険の給付対象となるため、傷病手当金の支給対象になりません。

また、美容整形など、病気と見なされないものも支給対象外です。

傷病手当金の支給額は、支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を基に計算することになります。

かなり大まかにいえば、直近の月給ではなく過去1年間の月給の平均を30で割って日給を算出し、その2/3が1日あたりの手当金として支給されるということです。

【支給例】
12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額が300,000円の場合、休業1日につき、

「300,000円 ÷ 30 × 2/3 = 6,667円」が支給されます。

健康保険の未来は?

高齢化の進展とともに、国民医療費はとどまること知りません。

2005年から2015年の10年間で、医療費は約1.3倍の42.3兆円となりました。

その10年後の2025年は団塊の世代全員が後期高齢者(75歳以上)になる年であり、医療費は61.8兆円になると見込まれています。

2025年問題が迫っています。

そんな中、平成30年4月から国民健康保険制度が変わりました。

国民皆保険制度を将来にわたって守り続けるため、市町村だけでなく都道府県も国民健康保険制度を担う形となっています。

これは、「年齢構成が高く医療費水準が高い」、「所得水準が低く保険料の負担が重い」、「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く、財政赤字の保険者も多く存在する」という構造的な課題に対応したものです。

私たちは、健康保険はあって当たり前の制度だと感じていますが、その存続のため、常に見直しが図られています。

少子高齢化という大きな流れの中、今後も医療保険を守るには、国民ひとり一人が日ごろから健康管理に気を配り、自己保健を図るなど、医療費の削減に関心を持つことが求められているのではないでしょうか。

角村俊一

Webライター・資格家・介護社労士。新日本プロレスと埼玉西武ライオンズが好き。