多死社会を迎えて~老いじたくを考える

高齢者人口が増加する中、老いじたくや終活への関心が高まっています。

老いじたくは、将来家族を困らせないための準備であると共に、これまでの生涯を振り返り充実したラストステージを演出するものといえます。

今回は、老いじたくについて考えてみましょう。

増加する死亡者数

昭和の終わりから、死亡者数は右肩上がり。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降、さらに増加すると見込まれています。

老いじたくに関するテーマ

老いじたくに関するテーマは、実に幅広くなっています。

健康、介護・医療、相続、遺言、生きがいなど多岐にわたりますが、イザという時に慌てないよう、元気な時にある程度のことは考えておきたいものです

元気なうちに準備を

年齢を重ねると、健康への不安は増大します。

いつまでも健康でいられることが一番ですが、いつ何があるか分かりません。

介護が必要になった場合にどうするのか、延命治療を希望するのかなど、まずは介護・医療分野での準備が必要です。

家族を介護で疲弊させないためにも介護保険の基礎知識は必要ですし、自らで意思表示ができなくなった時、家族を困らせないよう延命措置や尊厳死についても考えておきたいところです。

贈与や相続などの一般的な知識もあったほうがよいでしょう。

相続を争族にしないため生前贈与を有効活用したり、遺言を書くなどの対策が考えられます。その前提として、預貯金や不動産などの財産一覧を作ることが必要となります。住宅ローンなどの借金もまとめておきましょう。

通常、有効な遺言があれば、遺言通りに遺産分割されますが、遺言がない場合には、法律で決められている相続分(貰える財産の割合)によります。

死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人には順位がつけられています。

相続に関する法改正についても押さえておきましょう。

法律上、相続人になれるのは配偶者、子、父母、兄弟姉妹などです。

子の配偶者は相続人とはなりません。

よって、例えば、息子の妻が義父や義母の介護をどんなに献身的に行っていたとしても、遺産の分配を受けることはできません。

そこで、今回の改正により、相続人ではない親族(子の配偶者など)が被相続人の介護や看病に貢献した場合には、相続人に対し金銭を請求できる仕組みが設けられました

高齢になり、認知症などで判断能力が衰えた場合には、判断能力の不十分な方を保護し、支援する制度として、成年後見制度が設けられています。

葬儀についての希望や、もしもの時に連絡してほしい人などもまとめておきましょう。

葬儀社によっては生前に葬儀の相談をすることもできます。

何社か候補を選び、いろいろと相談をするうちに、どんな葬儀にしたいのかが明確になってくるのではないでしょうか。

生きがいのあるラストステージを

厚生労働省「平成29年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年、女性の平均寿命は87.26年となっています。

平均寿命とは、0歳の平均余命を意味しますが、定年を迎えてセカンドライフに入る60歳以降の平均余命をみてみると、例えば、年金の受給開始年齢である65歳の平均余命は男性19.57年、女性24.43年となります。

各年齢で残りの人生をみてみると、平均寿命よりも長生きすることになります。

老いじたくを考える場合、将来家族に迷惑をかけたくないという側面が強くなりがちですが、65歳時点において男性であれば20年、女性であれば24年、75歳時点でもそれぞれ12年、15年も余命があるわけですから、その後の人生をどう充実させて過ごすのかという観点を忘れてはいけないと思います。

老いじたくに関しては、市販されているエンディングノートを活用してみましょう。

いろいろな種類のものが販売されていますが、内容は大きく変わりません。

一度書いたら終わりというものではありませんから、書けるところから書く、完璧を求めないなどを念頭に、まずは気軽に始められそうなものを一冊購入して、書き進めてみてはいかがでしょうか。

定期的に買い替え、書き続けることによって、自分らしい、納得できる老いじたくができるのではないかと思います。