親に介護が必要になったら、介護のプロに頼めばどうにかなる…
そう思っていませんか?
その考え、もしかしたら近い将来、通用しなくなるかもしれません。
先日発表された調査によると、介護現場の人手不足がかつてないほど深刻になっていることが明らかになりました。
特に在宅介護を支えるホームヘルパーの不足感は83.4%。つまり、5つに4つ以上の事業所が「ヘルパーが足りない」と感じているのです。
この数字が示すのは、私たち40〜50代が直面する「親の介護」について、これまでのように“介護サービスが受けられて当たり前”ではなくなりつつあるという現実です。
介護職の人手不足が止まらない
この調査は2024年10月に、全国約1万8千ヵ所の介護事業所・施設を対象に実施されました。そのうち9,044ヵ所から有効な回答があり、以下のような結果が出ています:
- 介護職員全体の人手不足感:69.1%(前年66.0%から上昇)
- ホームヘルパーの不足感:83.4%(前年81.4%から上昇)
数字が示すとおり、特に在宅介護を支える人材が圧倒的に足りない状況です。
なぜ、こんなに人が集まらないのか?
理由は複合的ですが、主に以下のような背景があります:
- 賃金の低さと仕事の重さのギャップ
介護職は身体的にも精神的にもハード。にもかかわらず、他産業に比べて賃金が低く、離職が絶えません。 - 人材獲得競争の激化
コンビニ、物流、飲食なども人手不足が進み、時給が高い業種に人材が流れています。 - 物価高騰による運営コスト増
施設や事業所の光熱費・材料費が上がり、職員への報酬改善に回す余裕がなくなっています。 - 国の支援が追いついていない
政府の処遇改善策はあるものの、スピードも規模も現場感覚とはズレがあるという声が多いです。
親の介護、「頼みたいけど頼めない」可能性も
例えば、あなたの親が明日倒れて介護が必要になったとします。要介護認定を受け、ケアマネージャーとプランを組んだとしても…
- 「人が足りず、訪問は週1回しかできません」
- 「このエリアは対応できるヘルパーがいません」
- 「そもそも受け入れを停止しています」
こんな答えが返ってくる可能性が、決して小さくない時代になりつつあります。
今から私たちができる3つの“備え”
介護を受ける側ではなく、「支える側」に回る私たち世代が、今から準備しておくべきことがあります。
1. 地域の介護サービス状況を調べる
親が住んでいる自治体の高齢福祉課や地域包括支援センターで、地元の事業所数やサービスの供給状況を確認してみましょう。
公的介護保険の対象ではない、民間のサービスなども調べておきたいものです。
2. 親との話し合いを始める
介護が必要になったときの希望、金銭面、施設利用の意向など、元気なうちに共有しておくと判断がぶれません。親の貯蓄残高なども把握しておきたいところです。
兄弟姉妹などの親族とも話し合いをしておきましょう。
3. 介護費用と選択肢のシミュレーションをする
在宅介護と施設介護、それぞれの費用感や利用条件を知っておくことで、いざというときに「選べる余地」が生まれます。
最後に:介護は“情報と準備”で差がつく
人手不足は、すぐには解決しません。でも、備えておくことで、介護の始まり方が全く違ってきます。
介護は、お金も大切ですが、それ以上に「情報」と「準備」がものを言います。
早めに動いた方ほど、「いざ」というときに慌てずに済みます。
親の介護について、「まだ先のこと」と思わずに、できることから少しずつ始めていきましょう。