外国人介護人材が「介護職」を辞めていく理由とは?

「介護は将来、外国人に頼ることになるんでしょ?」

そう思っている方も多いかもしれません。しかし、その「頼みの綱」であるはずの外国人介護人材が、実は今、介護の現場から次々と離れているという調査結果が発表されました。

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和6年度外国人介護人材定着度調査報告書」

全国老人福祉施設協議会の調査によると、過去5年間で離職した外国人介護人材の52.1%が「介護以外の職種へ転職」していたことが明らかになりました。これはつまり、半数以上が“介護の仕事から離れている”ということ。

「外国人に支えてもらえば何とかなる」という見通しが、いかに危ういかが分かる数字です。

離職理由は“構造的な課題”の表れ

離職の理由を見てみると、以下のような順位になっています。

1位:介護以外の職種への転職(52.1%)
2位:賃金への不満(36.3%)
3位:病気のため(26.8%)
4位:他の施設への転職(22.3%)

この結果から見えてくるのは、外国人に限らず、介護職全体に共通する課題です。特に「賃金」と「職場環境」に対する不満は、長年にわたる構造的な問題。

介護は責任も重く、心身への負担も大きい仕事です。それに対して見合った報酬や労働条件が整っていなければ、外国人であれ日本人であれ、職場に定着し続けるのは難しいのです

介護人材の“流出”が意味すること

外国人材の受け入れは、政府が推進してきた重要な政策の一つ。にもかかわらず、現場では定着せず、他業種に転職する人が後を絶たない。これは、単なる職場の問題にとどまらず、将来の介護体制そのものが崩れていく危機を意味します。

現在、介護現場では日本人だけでは人手が足りず、多くの施設が外国人材に頼らざるを得ない状況。にもかかわらず、その彼らが離職していくということは、介護サービスの供給力が今後さらに下がるということです。

40〜50代の私たちが知っておくべきこと

私たち世代にとって、介護の問題は決して遠い未来の話ではありません。親の介護が必要になるタイミングは、いつ訪れるか分かりません。

そのときに直面するかもしれないのは、

「サービスを頼みたくても人がいない」

「施設の空きがあっても職員が不足していて受け入れ不可」

そんな“介護難民”のリスクです。

最後に:介護を「人任せ」にできない時代へ

かつては「国や施設に任せておけば安心」と考えられていた介護。しかし今は、制度も人材も“余裕がない”のが現実です。

介護は「人」がいて初めて成り立ちます。その人が足りない今、私たち一人ひとりが状況を知り、備えを進めることが、将来の安心につながるのではないでしょうか。